ロックフェスと若者の関係についての考察。フェスは生活に余裕のある中高年の慰みものではなく若者の居場所でありつづけるべき

ロゴス(LOGOS)

夏フェス本来の形とはなんぞや?

金持ちの道楽?

立ち上げの頃からの傾向でもありますが、フジとライジングサンは首都圏からの距離もあり交通費宿泊費などなどでかなりの経費がかかってしまいます。
ちょっとした国内旅行くらいの金額が吹っ飛んでしまい財布が軽くなることもしばしば。
この数日間のために日々貯金にいそしんでいる人がいるとも聞いたことがあるくらい。
対してロックインジャパンやサマソニは相対的に首都圏近郊での開催であるがゆえに交通費はそれなり、日帰りなので宿泊費もかからずと財布に優しいフェスになっています。
そこで前者は割と裕福な中高年が後者は余裕のない若者がターゲット層になりがち。それは面子にも反映されているように思います。
それでも黎明期では日本中のロックキッズ集めた?というくらいの大人数がロックフェスという名の甘い蜜に群がっていたんですよね。
その猥雑な雰囲気が近年はガラリと変わり棲み分けが進行してしまいました…。あまり良くないことだと言わざるをえません。
それは断絶を意味するから。伝統は引き継がれなければ意味がありません。欧米と比べて数十年遅くにやっとのことで根付いたロックフェス文化が次世代に継承されることが現状最大の課題なのではないでしょうか。

キッズの居場所

90年代半ばのライブハウス全盛期というのは日本中の若者が暴れるために出入りするところでもありました。
そりゃ発散したいですよ。若者ですからね。
ところが00年代半ばともなると客に暴れることを促すようなバンド達が鳴りを潜め、少し大人しめのシーンになりました。
こういった子どもが暴れる場はあらゆる時代で必ずどこかにあるべき、というのが個人的持論なのですが、このころにはそれが少なくなって迷走状態になりました。
日本においてその鬱憤を晴らす場所として10年代に入ってから新しく機能しだしたのがアイドル現場です。賛否両論ありそうですがw
80年代後半から醸成されてきたこの現場。もちろんロックリスナーとの親和性は極端に低く両方を兼ねている人なんて稀な存在でした。
対極に位置していたと思います。
ところがオルタナの波は社会のあらゆるところに浸透し、ネット社会でそれが加速。
いわゆる70年代から強固な精神性として継続してきたロックの神話に陰りが見られ、サブカルの王様の地位をアイドルやアニメに浸食されるようになりました。
その結果交雑なシーンが生まれ今やかなりアイドルやアニメに偏見がなくなってきたと言えます。
そうした流れの中で起きた変化。雪崩を打つようにアイドルやアニメ現場にかつてはメロコアやハードコアで暴れていた層が流入していきました。
もはやアイドルの現場なんて戦場ですよ戦場。
暴れられれば何でもいいや!てのは若者の特権であり100%支持出来るものです。
これを否定出来る大人は存在しません。
Number55