毎年苗場で開催される大型フェスティバルであるフジロックの成り立ちについて詳しく解説しています。

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フジロックフェスティバル 日本の大型ロックフェスティバルの幕開け

日本に根付いたロックフェスティバルの始祖 -- フジロックフェスティバル --

「日本のロックフェスティバル」の象徴でもあり、漫画やアニメ等(BECKやけいおん!など)に出てくるロックフェスのモデルは必ずフジロックなのがその証拠であるといえます。
70年代から日本には大型野外音楽イベントというものは存在していましたが、英国のグラストンベリーのようなロックやオルタナアーティストをメインに据えたフェスティバル形式をなぞったイベントを初めて開催したのがフジロックフェスティバルです。
1997年は富士天神山スキー場で、1998年は東京豊洲の埋立地で、1999年からは新潟苗場スキー場で開催されています。
苗場に移ってからは20年の月日が経ちました。
当初はいつまた場所移転するのかという雰囲気でしたが、ここまでイメージが定着してしまうとそれはなかなか難しいようです。
当初は2つだけのメインステージで運営されていましたが、現在は大小合わせて10近くのステージで朝は11時から翌朝の5時まで楽しむことができます。
この開催時間の長さはフジロックの特徴ともいえます。
苗場スキー場といえば観光地、なので宿泊施設はそこそこ充実していますが、それでも参加者の半数程度は会場近くのキャンプサイトで寝泊りをしています。
こういった制約や不便さを楽しむのも野外大型フェスティバルを楽しむ一因といえます。
とはいえ新潟といってもほぼ群馬との県境であり、新幹線で1時間半、関越道でも練馬からインターまで1時間半と時間的には首都圏から小旅行感覚で行けるといっても過言ではないでしょう。
もちろん都市型のフェスと比べたら敷居が高いのは間違いないですが、それだけに味わえる非日常感もまた格別。
実際に参加した人が一番に感じるのがその非日常感のすばらしさなのではないでしょうか。

世界に誇る?日本のフジロック

などというタイトルで威勢はいいのですが、規模とかいう話ではなくチケットの値段の話…とほほ。
そりゃ場所が極東ですし、地味に日本の玄関口の成田や羽田等々国際便が到着する空港からも遠く輸送費がかさんだり、1ステージが基本ということもあり、費用対効果が低く他のアジア諸国や豪州周りの一環で予定を建ててくるアーティストも近年多くなったと聞きます。
日本の市場自体は大きいものの内実はアイドルの多売やアニメ等のサブカル絡みでの売り上げが多数を占めている現状、ひとむかし前の洋楽崇拝みたいな空気は若い人たちの間ではほぼ皆無と言えるでしょう。
また個人的には音楽的にもキャラクター的にも世界との差を感じないようなもの日本人が作ったものが日本にも根付いてきているのだと感じます。
洋楽優位なんてものは最早存在しないのです。
フジロックはそんな優位性で地位を確立してきましたが、ここ数年でそこに微妙なズレが出てきているのです。
それはブッキングの傾向やオレンジコートの廃止など目に見える形で噴出しています。
客も変わらないと、ですネ…。
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