SonicMania2015では色の違う3ステージ制で深夜らしいダンス・テクノ・ハウス系のアクトを取り揃え時代の要求に添ってEDM系のアクトが充実し始めました。

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通算7度目の開催となったソニマニ2015

金曜の夜はソニックマニア

たとえば修学旅行だったり、フジロックの前夜祭だったり本番前の夜ほど楽しいものはありません。
そういう意味ではソニックマニアの高揚感はそれに近いものがあるわけで、楽しくないはずがないのです。
深夜帯という時間帯のマジックも相乗効果を生み、他のフェスとは一味違う趣きがあるのがこのソニックマニアです。
かつてはエレクトラグライドだったり電気グルーヴ主催のWIREだったりと同じ趣旨のフェスが日本にもありましたが、それらのフェスがフェードアウトしてしまった今現在には貴重なダンス特化フェスとして存在感を増しつつあります。
本家サマソニの屋内ステージを使用することによってスペース的にはゴージャス感があり、面子も翌日からのフェスへと流用できる汎用性があるので運用面でもよく考えられているといえます。
この年もプロディジーやマリリンマンソンはサマーソニックの重要なピースと兼用となる見事な采配。アクトによっては1回の来日で3ステージをこなすなど単独なみの活用をされ、とても効率がいいといえます。
この時期は洋楽目線でいうと過渡期といえ従来の人気アクトと新進気鋭のEDMアクトが新鮮なフュージョン具合を見せつつありました。
少ないパイでしかない双方が断絶するのは興行としては全くもってよろしくないわけで、ソニックマニアでその融合を図るのは理にかなった差配であるのではないでしょうか。
この手のフェスにすっかり恒例となって全く違和感のないPerfumeなど、それまでに撒いた種が結実しつつあると言えると思います。
とはいえまだ双方にかたくなな壁があるのも事実。ここをじっくりと時間をかけてほぐさないと洋楽フェスの未来はないのです。
フジロックではなかなかここまで振り切れないのでサマソニ・ソニックマニアでやらなきゃ誰がやる状態なわけです。
その点で頑張ってほしいのは言うまでもありません。
80年代当時の世代の断絶とは状況が違うのであります。何故なら絶対数が多く使う金も多いのが現40代~50代でそこを切り捨ててイベントを打つ博打はなかなか打てないという、やむにやまれぬ現状があるので…。

2015年の国内情勢

国内ニュースでもISの文字があるということは、世界的にも問題として表出してきていることの現れなのでしょう。
そして招聘決定の段階で色々と危惧されていたオリンピックに、新国立競技場の建設問題、エンブレムの盗作問題など今後の茨の道を予感させるような問題が噴出しつつありました。
そして安定しつつある安倍政権の打ち出したインバウンド重視政策を反映して外国人観光客が激増したのもこの2015年の特徴となりました。
秋葉原やお台場にツアー然とした外国人が多く見かけるようになりました。
しかしながらこの依存構造がパンデミックで崩壊するなど誰が予測できたでしょう。色々と危うい事情が見え隠れするのも2015年という時代の特徴なのでしょうね。
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