Goldieはグラフィックアーティストでキャリアをスタートさせ、現在まで活動を継続しているイギリス芸術分野での最重要人物。

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ドラムンベースといえばGoldie

出演回数:2 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 2 回

夏フェスはフジロック2回

最初の夏フェス登場は豊洲のフジロック98。当時は95年にリリースしたファーストアルバムを受けて期待を持って迎えられたセカンドアルバムSATURNZ RETURNでの評価が確定していたまさに絶頂期での来日、そしてフェス出演となりました。
キャリア2枚にしてセカンドステージのトリを務めるという今にして考えたら大抜擢ですが、その当時はシーンに登場した段階で既にオンリーワンの存在感を醸し出すアーティストが多かった印象。それだけ各ジャンルが成熟する前段階だったのでしょう。
90年代ならではの新しいことが雨後の竹の子のように出てくる幸せな時代がそこにはありました。
それはいきなり生み出されるというよりはアンダーグラウンドで蠢いていたものが情報伝達手段が各段に早くなったことにより世界中のあらゆる街の片隅で発生した種火が瞬く間に地球の裏側にまで広まっていく環境の変化にあるといえます。
そんな中、英国のクラブシーンで派生した動きはすぐさま東京にまで波及し、円盤は売れ極東のフェスで重要なスロットを占めるまでに成長を遂げます。
今では当たり前のこのような動きが当時はなんと新鮮で斬新に感じられたことか。ゴールディがフジロックでセカンドステージのトリを務めることの裏側にはこんな事情が見え隠れします。
その後地道な活動を究める彼ですが、再びフジロックの地に足を踏み入れたのは2014年まで待たなくてはなりませんでした。
今度はオレンジコートで金曜深夜に繰り広げられるオールナイトのステージでした。会場の規模を考えると狭いくらいですが、まさにゴールディの音楽にハマりにハマりまくるシチュエーション。
こんな至高の時間があるのかというくらいのふさわしさでそこに存在するのでありました。ましてや前後を固めるのがDJEYEにケンイシイですからね。これだけを見にいった人がいても責められないくらいですw
浮遊する上物に女性ボーカル、そこに空間を切り裂くようなドラムン~なリズムが乗る独特の音世界がゴールディの特徴ですが、今聞いても当時の空気を伝える優れたタイムカプセルのような趣き。
もともとグラフィック方面での評価を確定させてからの音楽への転身をしたゴールディですが、その絵画的なアプローチが音に現れていると言えます。
多分にコラージュ的な音の重ね方が立体的でその手法は描く手法を音に置き換えたといって差し支えない気がします。
アプローチの仕方を変えるこのようなアーティストが沢山現れたのも90年代の特徴でしょうか。とにかく他分野でも才能を発揮したような人が作る音楽のなんと面白いことか。
現代音楽を進化させたゴールディがその全盛期に日本でプレイしてくれたことには嬉しさを禁じえません。そしてその場にフジロックを選んでくれたこと。これだけで飯3杯はいけますねw
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