JoeStrummerは歴史にその名を刻むクラッシュのフロントマンとして名盤をいくつか残し晩年までその基本的な創作姿勢を崩すことなく走り抜けた偉大なロッカーでした。

ロゴス(LOGOS)

ジョーストラマーとフジロックの理念の共鳴

出演回数:2 回

  • 朝霧JAM / AsagiriJam >> 1 回
  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 1 回

イギリス音楽の象徴のような存在

パンクロックという言葉を作ったのはピストルズとマルコムマクラーレンでしたが、それを体現し言語化したのはクラッシュでした。
理念としてのパンクは空気に触れたら酸化してしまう元素のように極初期で崩壊してしまいましたが、思想を世に問うツールとしてのパンクロックはまだまだ有効であることを示す唯一のバンドでもありました。
そのクラッシュの進むべき道筋を指し示す光となるジョーストラマーのパーソナリティもまた固有種のような存在感を誇り、イングランド史に残る表現者のひとりとして数えられています。おそらく多分。
元々ロックと左翼思想の親和性が高く幾人かの優れた表現者が散見されますが、その権化のような存在でその姿勢は終生変わらず貫きとおされたのでした。
バンドの後半はもはやパンクなんて狭いジャンルは飛び越えた高い評価を受けましたが、次第に新しいステージで新しい音を創ることに興味がいくのが自然でありまして、もうクラッシュでやれることはなくなったと言わんばかりに活動を休止し結局再結成することもなく現在に至ってしまいました。
まあクラッシュである必要性もないですしね…てな感じなんですが、変わりゆくイングランドをジョーが生きていたらどう表現するのか…そんなことが頭をよぎります。
存命ならまだ70そこそこ。まだまだ元気にギターをかきならし(ちっとも上手くならなかったですがw)現状を憂いていたことでしょう。
2003年以降のイングランドは激動の時代に突入した感があります。それはEU離脱に端を発するわけですが、あの大方の予想をひっくり返した国民投票からこっち、混迷を極めているようにも見えます。
そもそも構造的に大国のメリットは少なく小国の利益が大きいように感じるわけですが、EUという大きな器の視点でいうと応分の責任があるのは仕方のない部分があり、それ以上の大国であるアメリカ・ロシア・中国と経済的に対等であり続けるにはその大きな器でなければならない事情もあるわけですから、ちったあ我慢しろやてのが正解なのでしょうが。
イギリス人の頑固さがこういった事態を招いてしまいました。
しかし決まったものは仕方ない…日本つかアジア的には太平洋にいくつかの領土を持つイングランドがテTPPに加入するかも~という良い目も出てきてしまい渡りに船のような状況ではありますがね。
仮にジョーが生きながらえていたらクラッシュの再結成はあったんですかね?…いや無さそうだなw
生前自然いっぱいのフジロックをいたく気に入ってくれて天神山では出番がないのに会場をうろついていたのは有名な話ですが、お祭り好きのいいおじいちゃんになっていたことは想像に難くないわけですが、フジロック大好きなことが伝わってくるエピソードは枚挙にいとまがないわけであります。
フジロックのことを愛してくれてありがとう。いつまでも見守ってくださいね。
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