ホワイトストライプス!ギターとドラムの最小編成でやっと成り立つバンド編成を逆手に無限の可能性を見出した慧眼が凄すぎる

ロゴス(LOGOS)

ホワイトストライプスとはコロンブスの卵である

出演回数:2 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 2 回

ベースレス

ここ20年で世界で最も知られた楽曲を持ち、振りかえればゼロ年代最重要バンドではなかったかと思われます。
出たてのホワイトストライプスはかなりキワモノ扱いであったように記憶しています。
出オチの一発屋で作品を重ねるごとに手詰まりになっていくのではないかと。
それはそれで良くないことで偏見に満ちていますし、個人的にも改めなきゃいけない部分でもありますね。反省。
実際に短期間で活動を終えたバンドではありますが、残した作品群からいっても濃厚は足跡を残したといって差し支えないと思います。
赤と白を基調としたビジュアルイメージ、ドラムとギターの最小編成。しかもドラムはほぼ素人じゃねえか、な演奏ヂカラw
しかしながら発想の転換、というか中心人物のジャックホワイトの圧倒的才能でもってそれを跳ね返し評価を集めていきます。
彼は普通のバンド編成やソロでもいつかは世に出てきたであろう才能の持ち主でありますが、こうしたあえて限定された環境を持つバンドで認知されることによって却ってその評価を高めることとなりました。
普通の状態で作られた音楽を引っ提げても普通の評価しか得られませんが、こういったある意味奇をてらった編成で足かせをつけられた状態で作る音楽が生み出す通常とは違った作品から醸し出される凄みみたいなものが世界中を虜にしました。
才能のある人が上手い人達が作る音楽には普通以上の効果はありません。
あえて素人に毛が生えたような相手と組んで、しかもベースレスの異常な状態でのヒリヒリとした緊張感を逆手にとってより効果的なアウトプットを演出することに成功しました。
ある意味無駄を極限まで削ぎ落しジャックホワイトという異才を際立たせる、逆転の発想がそこにあったのです。
限定された中で先に枷を作り、そこでどう表現するか、そこに特化された剥き出しの音楽性がホワイトストライプスを形作りました。
このやり方がゼロ年代で最も世界中に影響を与えました。
通常のやり方で過去を踏襲したロックバンド全てを嘲笑うかのようなバンドの登場によって、ある意味そこまでのロックバンドのストーリーが意味を為さなくなったのではないかと思います。
ホワイトストライプスを越えるやり方をどこかで誰かがやり始めないとロックバンドは前世代の遺物でしかないのであります。
世界中のサッカースタジアムで響き渡るホワイトストライプスの旋律。
これを越える強みはないなあ…。
Number55