リンキンパークはゼロ年代の10年間を文字通り席巻し世界でもっとも知名度の高いバンドといえます。売上も動員も桁違いのこのバンドが夏フェスに出てくれました。

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LinkinPark~近年でもっともプレゼンスの高いバンド

出演回数:3 回

  • サマーソニック / Summersonic >> 3 回

全盛期はとんでもない人気

洋楽シーンとの乖離が進むここ日本において、おそらく最後の国内と国外の温度差が変わらないバンドのひとつであったように振り返るとそう思います。
ヒップホップがシーンのど真ん中に鎮座する時代さなかの96年に結成されその影響をモロに被り、ロックバンドを究極の最終形態へと進化させたバンドと言えるでしょう。
メジャーデビュー直後から既に全く新しいアプローチのバンドというよりは従来存在したバンドのエッセンスをより濃くし高いレベルで音を紡ぎだしている完璧にオーガナイズされ洗練されたバンドというイメージがありました。
その音はこんな極東の辺鄙な地でも瞬く間に浸透し、ゼロ年代半ばには彼らに影響されたであろうバンドが世界中で溢れていたと回顧します。
ここ日本でもいくつか名前が挙げられるくらいその影響の破壊力は凄まじく、現代でも影響を与え続けているくらいインパクトは多大でした。
メテオラがバイブルのキッズが巷に溢れていたロックバンド最後の蜜月時代がそこにはありました。
それはリンキンパークが出るロックフェスがあるならどんな形態のフェスでもトリに置かざるを得ないくらいの評価で、仮にメタリカと出るフェスが同じなようなら日程をずらす政治的判断が必要なくらいに、そびえ立つ存在であったと言えます。
日本ではフェスに出すよりは招聘するなら単独公演にして何公演かツアーをこなす方が利益を出すにはベターな選択だと思うのですが、それでも彼らはフェスを選択してくれました。もしかしたらスケジュール的な関係なのかもしれませんが。
ここまでビッグな評価を得ている世界的ロックバンドが極東のフェスに出ることの豪華さは筆舌に尽くし難いくらい凄いことで、驚きをもって迎えられました。
リンキンパークが登場した夏フェスはサマソニのみで3回機会がありました。
最初は2006年。先述の通りメタリカとは別日に配置されこの年のフェスの顔はメタリカとリンキンパークという新旧ヘヴィロックバンドの競演となりこの年のサマソニの方向性が明確に分かるブッキングとなりました。
メインステージの並びを見てもデフトーンズ→メタリカ、ミューズ→リンキンパークと2006年では世界中のどのフェスでも実現できなかったような豪華な流れとなりました。サマソニの全盛期ですね。
2度目の登場となった唯一の3日開催となったサマソニでは同世代のマイケミカルロマンス、世界的歌姫ビヨンセとのトリプルヘッドライナーが勢ぞろいすることとなりました。
そして2013年にはメタリカ前で演奏するというなんとも贅沢な位置に配置されラウドメタル一色のステージを盛り上げることに。
突如飛び込んできた悲報によりあの頃の形態で2度と見られなくなってしまったのは残念ではありますが…。
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