MyChemicalRomanceとは良質なポップセンスと過剰なアレンジメントの融合となった音でここ日本でも不動の人気を獲得することとなりました。

ロゴス(LOGOS)

マイケミカルロマンス~ポップパンクの完成形

出演回数:3 回

  • サマーソニック / Summersonic >> 3 回

日本のキッズ好みの音とルックス

真似したくなる音、ルックス込みでのバンドイメージ。日本の若きバンドキッズが彼らに夢中になるのに時間はかかりませんでした。
90年代に隆盛となったグリーンデイを筆頭とするポップパンクバンドの発展形と一応の完成形がマイケミにはありました。
ロックバンドの入り口として彼らほどふさわしいバンドは無いように感じます。基本形として美メロを売りにするバンドはいくつか通り過ぎていきましたが、マイケミほど心を捉えたバンドはかなり稀で、その音世界は過剰とも言えるくらいのオーパーアレンジメントでクイーンやMUSEとの共通点がしばしば指摘されるところですが、彼らはアメリカのバンドということで一味違った味付けがなされているように感じます。
上記のバンド達との共通点では日本で独自の人気網を構築したことが挙げられます。
全盛期のアルバムであるブラックパレードは爆発的に売れ、一気にこの世代を代表するバンドの地位を確立しました。
ドラマチックでロマンに溢れる楽曲の数々は以後のバンドに影響を…与えるわけではないのがこの時代の難しいところw
結論として追随するバンドもなく盟友バンドと呼べるような共通点を持つバンドも少なく、ひとりポツンと隔離されていたようなバンドとなってしまいました。
せっかく世界中のフェスで良好な位置を勝ち得ていたのにかなり早い段階の2013年に解散をしてしまいます。
時代はロックバンド受難の時期に突入していた頃に彼らはシーンからひっそりと退場していったのでありました。
燃え上がるのも早いが燃え尽きるのも早い…そんな時代で次世代に引き継ぐような追随バンドも現れずここで流れが継承出来なかったことが2010年代以降のロックバンド衰退期を作ったとも言えます。
要は魅力的な世界を描き切れなかったということなのでしょう。層の厚いヒップホップとはやはり戦力差は明らか。
まだ10年そこらしか経っていないのに急速に古臭く感じることもそれに拍車をかけているのかもしれませんね。
そんな彼らも日本のフェスにはサマソニに3回の出演を果たし、最終的には大トリを務めるなど破格の扱いを受けました。
初参加となった2014年ではゼブラヘッド、フーバスタンクが出演したステージで中盤に置かれることに。親和性の高いバンドを近くに置くことで相乗効果を狙ったこの配置は大成功となりマイケミの名前は日本のロックキッズに浸透することとなりました。
2年後の2006年には堂々のメインステージ登場となりました。リンキンパークとミューズ前の準々トリの位置でマイケミの前にロストプロフェッツとフォールアウトボーイという完璧な流れの中に組み込まれました。
そして遂に2009年のサマソニでメインステージのトリ、つまりその日の顔となるところまで上り詰めました。
キャリアの長さを考えると大抜擢といえこれからの快進撃を予感させるものとなりました。がこれが最後の日本の夏フェス参加となってしまいました。
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