TameImpalaはアルバム発売ごとに評価を高め世界のフェスでもどんどんプレゼンスを上げていく新世代の旗手のような存在となっています。

ロゴス(LOGOS)

パーソナルな作風も人気を集める

出演回数:3 回

  • サマーソニック / Summersonic >> 2 回
  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 1 回

新世代のサイケポップ

その作風はポップなメロディーにサイケデリックなアレンジの風味を加えどことなく懐かしい感覚を覚えます。
特に何の知識もなくラジオから流れてきたら70年代の曲?こんなのあったっけ?という趣。
それでいてきちんと00年代を通過した10年代を代表するポップロックの形となっているところが彼の強みか。
ロックバンド受難の時代においてひとつの完成形なのではないでしょうか。
ベッドルームミュージックの極み、というかパーソナルな内容かつミニマムな決済体制で紡がれる音がここまで世界に届くことが正に現代音楽の象徴なわけで、今後もこういった流れはより加速していくのではないかと予想します。ポストマローンやビリーアイリッシュなんかもこの流れの中にいるわけで。
んじゃライブはどうなんだという向きもあるようですが、そりゃ一枚岩のバンドという形式ではないのは仕方ないんですがそれでもフェスのトリで見る価値のある非常にオーガナイズされた演奏を行ってくれるのであります。
そもそもそういう従来の形に捉われたところからロックバンドの凋落が始まっているのですから、特定の世代が新しい形の模索を今行っている最中なのです。
そこを廃れさせた連中に何か言われたくねえのでやんす。
過去に似たようなことをやっていたトッドラングレンが称賛されてインパラが忌避されるのは納得がいかん。
コロナで残念ながら中止となった2度目の参加となったフジロックでは堂々のメインステージのトリだったように最早この世代ではトップクラスの評価を受けています。
次に日本のフェスにブッキングされたらメインのトリ以外は置きどころがないのは明白で、積極的な意見としては今後の世界の音楽シーンを引っ張る存在を見たい!ポジティブなものや、消極的にはEDМ系よりはより自分が見てきたバンド形式のものに近いからまあ目を瞑ろう!ネガティブなものまであると思いますが、それでもこの流れを積極的に支持し見守りたい気持ちでいます。個人的には。
そもそもそんな形のことは抜きにして曲としても良質で傑出した才能あるのは間違いないのではありますが。
それにしてもこういうブライテストホープがサマソニに早い段階でブッキングされるケースのなんと多いことよ。
ここ数年はそれが更に顕著で、インパラも2009年にソニックユース、リップスが並ぶステージの早い時間帯での初お目見えとなりました。
その後2013年のフジロックでは堂々レッドマーキーでのトリを務め、2回目の参加となった2018年のサマソニではサードステージでのトリにまで一気に昇り詰め、もう今後はメイン級の扱いじゃないと手に負えないようなアクトにまで成長したのでありました。
その割に国内の認知度はそんな高くないというパラドックス。実は扱いが難しいのかもしれませんね。
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