Prodigyは90年代に台頭したダンスカルチャーとロック的な要素のハイブリッドユニットの象徴として有名。フェスでトリを務めるまでに人気を博しました。

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Prodigy!夏フェスで集客の目玉に

出演回数:4 回

  • サマーソニック / Summersonic >> 2 回
  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 2 回

ロックスピリット溢れるテクノ

80年代末のイギリスのレイブカルチャーはその国に生きる若者にとって避けては通れないものでした。
その影響は大きく遠く極東の島国にまで到達したわけですが、フェス自体もそのレイブカルチャーへの憧れが発展したものであるともいえます。
かつてはファンクならファンク、ロックならロックでなくてはならないと、まるでプロレスの前座はメインイベンターの技は使ってはいけないみたいな不文律でもって音楽は成り立っていましたが、そういった壁を壊す作業を経て様々なジャンルを交雑した音楽が隆盛となったのが90年代という時代でした。
ヒップホップ自体が正にそれの象徴でもそれの権化でもありましたし、レッチリみたいなクロスオーバーな音楽が当たり前の時代が到来し、このプロディジーもそれが史上初とまでは言いませんが、テクノとロックの融合を全面に出した音楽性で世界中で支持され人気となりました。
今となっては当たり前のこの手法であり、やったもん勝ちの世界ではありましたが、それでも光り輝く時代を築きそれを否定するものではありません。
ここ日本ではダンス系のコンピに一山いくら~な感じで収録されていたり、初来日がAVEX系のイベントだったりと出自が若干いかがわしくありますが(偏見ですね失礼w)ダンスシーンでは元々評価が高かったところからいやらしい感じでロックに寄せることによって急激に耳目を集める存在に変貌したように記憶します。
これは初期の日本の洋楽フェスは特にそうですが、リアルタイムで欧米で巻き起こっているブームとほぼほぼ乖離せずにまさに今売れているアクトが見られるところに魅力があり、このプロディジーがフジロックにラインアップされた1997年も(中止ではありましたが)その週のビルボードのトップ1アルバムにチャートインしていたのでありました。
旬も旬、よくもまあそんな時期に日本にジャストタイミングで見られるなんてと興奮したものですわ。中止でしたけどw
この傾向、今ではほぼ無理なんですよね…それは洋楽信奉が薄れたこともあり向こうで売れているものが無条件で受け入れるわけではないというある意味正しい傾向なんですが、そういう構造の変化が如実に夏フェスのラインアップに影響を与えているように思います。
要は集客できるアクトが90年代以前で止まっているというよろしくない状況なのです。
そういう意味でプロディジーみたいな新進気鋭ユニットが目玉でフェスの集客が出来る幸せな時代だったわけですが、それが出来るのはほんの少しの期間しかありませんでした。
今後そんな時代を作れるかどうかが洋楽系フェスが生き残れるかどうかの試金石になりそうです。
そんなプロディジーですが、さすがにその形態だけでは仕方ないことですが音的には古臭さを感じるまでになってしまいました。
単純なロックだとそれが味になるわけですが、手法的に登場が鮮烈だっただけに余計そう寛治てしまいます。
EDM全盛の今なわけですが、ん?エレクトリック?ダンス?ミュージック?それ何十年も前から存在してるんですが。気のせいかしら
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