ベックは90年代半ば彗星のように登場し現在までシーンの前線で身体を張り続け、グラミー賞を受賞する等米国を代表するソロ男性アクトです。

ロゴス(LOGOS)

ベックが変えた未来

出演回数:5 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 3 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 2 回

象徴的な負け犬スタート

デビューに至る過程も独特なベックですが、たまたま安価に仕上げたデモテープが鮮烈すぎてメジャーレーベル争奪戦が起きるなどそれまでの誰とも違うサクセスストーリーが展開されました。
そのデモ曲のLoser(負け犬)とは真逆の勝ち組っぷり。見た目はマッチョ至上主義の米国では珍しいナヨナヨ感がありますが、決して一発屋で終わることなく現代までしっかり活動し一定の評価を受け続けていることは特筆に値します。
デビュー当時はローファイと称され心無い人がらはアイデア一発であるかのような評価を受けましたが、現代の音数少な目のトレンドの一歩先を行っていたと今はそう振りかえざるを得ません。
アルバムごとにローファイ感を維持しつつも表情を替える音楽性の幅広さ。
自由奔放さを標榜する音楽家でありながら都度都度しっかりと売り上げもあげフォロワーもリスナーも拡大させていく現代の天才であるといえます。
個人的にはプリンスと比較してしまいますね。そのくらいの評価があってもいいと思う幅広さ。
90年代というのは音楽に限らずあらゆる分野に共通する流れとしてサンプリング文化というものが根底にあって、それに上手く対応した人が生き残っていく時代でした。
それはヒップホップが壊した壁であり過去に発表されたあらゆる音源を漂流しミックスし新しい形でアウトプットする。そういう形に対して抵抗なく挑んでいくアクトこそが90年代をサバイブすることが出来ました。
それが出来ない80年代の方々は(音楽業界に限らず)時代に取り残されていくのでした。

つっこみどころ

ベックといえばジェフベックがいるのに…と世に出てきた当初は戸惑ってしまいましたが、大御所のベックは語尾↓の発音、こちらのベックは語尾↑で音的に分けているようです。
フェス会場で話している人がそう言ってるのでそう認識しましたw
おじさんには難しいw
また同名の漫画がありまして、当初から何か関係あるのか?と期待されていましたがいくら読み進んでも一切内容とは関係なくて、何故そのタイトルにしたのか…未だに謎であります。
当人をライブで見るとその華奢さに驚いてしまいます。
一般的な米国人とはかけ離れていてある意味一般的な日本人に近い体形。
そういった意味でもこと日本においては親近感半端ないわけですが、だからといってライブが弱弱しいことはなくしっかりとした演奏とボーカルワークが聞かれます。
この辺が疎かになっていると特に米国では受け入れられませんからね。
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