アッシュは日本のフェス黎明期からその名を連ね続けているアイルランド発90年代よりその名を知られる息の長いバンドで知られています。

ロゴス(LOGOS)

アッシュ~元祖恐るべき子供たち

出演回数:6 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 6 回

いつまでも10代の鮮度で

途中紅一点のシャーロットが在籍していたりと華々しいバンドイメージが付きましたが従来のスリーピースに戻してからも制作意欲が衰えることなく、個人的にはデビュー時の鮮烈な若者のイメージを40代に突入した現在でも保ち続けていることの凄さを感じています。
多少の浮き沈みがあったりしても常に誠実な姿勢で後にロッククラッシックと呼称しても遜色のない楽曲を生み出し続けイギリス本国のみならずここ日本でも英国産の人気トップクラスバンドとしての地位を確立しました。
フジロックのみに6度の来日を果たしていますが、そのどれもが重要な位置に配置され、そのどれもが素晴らしい演奏を繰り広げたことで運営と観客双方の厚い信頼を得ることとなりました。
とてつもない音楽的素養に溢れたシャーロットが途中退出してしまい以後の活動が危惧されたことも杞憂だったというか、本来のシンプルなギターベースドラムの形でもパワフルさを失うことがなく、この点はライブで鍛えられて成長してきたバンドの強さをまざまざと見せつけることとなりました。
それ以前にやはり楽曲の強さが際立っていることがよりシンプルとなった演奏でクリアに明確に観客に届けられたことも大きいのではないかと。
正味なはなしまだキャリアの浅かった10代のころから既に演奏力表現力には定評があり、後年似たような立ち位置でシーンに登場してきたアクモンと比べても演奏力という面では1歩前にいて秀でた存在だったなと感じます。
割とイギリス近辺のバンド事情を鑑みるに演奏力なんかは置き去りになっているものが多かったりしますが(w)アッシュに関してはちゃんと練習を重ねているな!現状持っているスキルの上限を高いレベルで更新し続けているな!という感があります。
そしてそしてこの世代のイギリス(アイルランド)人には珍しくメタルへの造詣が深いことも注目要素で、メタル受難の時代に愛情を示しきちんと自らの作品に何のてらいもなくフィードバックしていたことでその方面からの信頼も厚いように感じます。あくまで個人的感想ですがねw
いわゆるブリットポップ全盛期に登場し、ブリットポップ一派としてのイメージも多々あるバンドではありますがハードロックメタルの潮流のひとつでもあるイングランドからこういった伝統を受け継ぐバンドが途切れなかったのはアッシュのもうひとつの功績でもありきっと後世から正当な評価をされることでしょう。
ポップロックバンドとしての一面ももちろん強くありますが、硬質な面も併せ持つことでバランスの取れた評価を獲得することが出来たバンドで、そういった面でも記憶に強く刻まれるバンドとなっています。
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