FooFighters90年代から現在に至るまでオルタナバンドのトップランナーで走り続けています

ロゴス(LOGOS)

あのバンドの幻影を抱きつつフーファイが背負うもの

出演回数:6 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 5 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 1 回

陽気なアメリカンロック

90年代を席巻したオルタナティブロックからは最も遠くに存在する、実にアメリカらしい能天気で陽気なロックンロール。
フーファイは長年活動するにあたり徐々にこういった音楽性を、アメリカの伝統的ロックバンドの系譜に連ねるようになりました。
ステレオタイプなハードロック、アメリカンロック、70年代に人気を博したバンドが細々と生き残れる程度にはアメリカで市民権を得ているような音楽達を真向から否定することがアイデンティティと(勝手に思ってましたw)なっているのが、80年代後半にインディーから発芽して全世界的を虜にしたオルタナティブロックという認識でした。
ある意味、厨2病をでかいスケールで具現化し、自室の暗い部屋で生まれたような陰鬱とした音楽こそ90年代という時代を象徴するカルチャーになっていたのでした。
それまでアンダーグラウンドで蠢いていた表現が、まるで地下で生成され噴火するかのごとく噴出してきたのでした。
その中心に位置し、セールス的にも一般的評価的にもトップに位置するのがフーファイターズでした。
そして作品を発表するにつれ、先人おオルタナティブロックバンドがかたくなに否定してきたスタジアムサイズのロックンロールに軸足を移し、もはやオルタナという狭い場所からは意図的にはみだしていくのでした。
ある意味デビュー時から立ち位置を変えずにコンスタントに作品を発表し続け安心感を与えているレッチリとは真逆対極の存在といえるでしょう。
そんなふたつのバンドが最初のフジロックで同じステージに立っていたという事実は、なんとも象徴的な出来事であったと言わざるをえません。

ニルヴァーナのケツを拭かなきゃならねえ

フーファイターズのフロントマン、デイブクロールはニルヴァーナのドラマーとして世に出ました。
そして、悲劇が起こりバンドは解散し、後世にはかのバンドの影響力と過分な目に見えない重荷が残されました。
どこかの誰かがケリをつけないと前進できないような状況が2~3年は続いたように思います、その閉塞感はアメリカのみならず世界中を覆っていたように思います。
そんな中、デイブクロールはドラムスティックからギターに持ち替え新たにバンドプロジェクトを立ち上げました。
先のバンドの影響を色濃く残しつつ新しいことにも挑戦していく様は、世界中に躊躇わずに前進することの重要性を改めて提示したように思います。
世の中を斜に構えることなくまっすぐに受け止め、誠実な姿勢で音楽を紡ぐ姿勢で段々オーディエンスの心を解きほぐし、かのバンドが真向から否定していたアメリカの伝統的大衆ロックバンドの系譜をあえて背負い込む覚悟を見せることも支持を集めることに成功しました。
いまやニルヴァーナがたどり着くべき場所に最も困難な形で到達するサクセスストーリーを我々に見せてくれています。
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