Ian Brown~マンチェスター発のバンドとソロ両方で人気を集めた成功者のひとり

ロゴス(LOGOS)

伝説扱いは似合わない男~イアンブラウン

出演回数:6 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 5 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 1 回

イアンブラウンと日本

幼少期は空手を習っていたそうで、日本の精神世界への造詣が深いといったようなエピソードがあります。しょっぱなから浅い情報ですみませんw
そういえば道着を着ているような画像が記憶にあったりします。
これは日本人の悪い癖かもしれませんが、柔道や空手といった日本発の格闘技を習っている人は漏れなく日本的な考え方をするのではないかという浅い期待を抱いてしまうものなのですが、殆どにおいてそれは思い込みのようにも感じます。
ただしイアンブラウンのぶれない感じはやはり道を究める研究者のような姿勢を感じざるを得ません。
ローゼズ時代とソロと、ソロは特に他アーティストとのコラボの色合いが強い作品となると全く類似性が見つからないようでいて、実は根底に流れる思想は統一感に溢れているのです。
そこはとても信用出来るアーティストのひとりですね。
かつて彼が発言したことで注目すべき点は、金がなくて機材が集められないから仕方なくバンドをやっているだけで、初めからエレクトロな機材が揃っていたらエレクトロ方面の音を出していた、というものです。
つまり出音のスタイルはその都度取れる態勢から出てくるモノに過ぎなくて、表現の核はそこには固執しているわけではないということなのでしょう。
こういう下手したら表現のアウトプットはビートを纏った「音」に限るわけじゃない、という姿勢のアーティストへの信頼感半端ねえっすわ。
バンドでイチ時代を作った人がソロになると苦しむことは多々ありますが、イアンブラウンの自由な活動を見ているといかに軸がブレないことが大事か分かります。
しかもその軸が世間が考えているイメージの軸とズレていたとしても微動だにしない辺り、ただ者ではないことがうかがい知れるってもんです。

世界に足りないもの

もうひとつ彼の発言で有名なものがこれ。
今の世界に足りないものは何?と聞かれ「ストーンローゼズが足りない」と答えたこと。
こんな不遜な発言はないですが、この揺るぎない自信と純度100%の肯定感が80年代に重く閉ざされていたイギリス人の心の扉を開けたのだと思います。
折しもレイブカルチャー全盛の時代に巻き起こったこの未来へのワクワク感と自己肯定の姿勢、当時これを音に落とし込めたバンドが沢山出てきましたね。
そしてそれを極東の島国でモロに影響受けてしまった人達がいま、子供部屋おじさんと呼ばれているのは何かの皮肉なのでしょうか?w
日本人の場合は他にも様々な要素があっておじさんが醸成されていきますが…。
マッドチェスターがひとつの要因になるとは、今書いていてハッとしましたw
Number55