レッドホットチリペッパーズ・アメリカカリフォルニアから世界のフェスへ

ロゴス(LOGOS)

日本のフェスの幕開けを嵐の中で目撃・体験したレッチリ

出演回数:7 回

  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 4 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 2 回
  • ウドー主催フェスティバル / UdoOrganizedFestival >> 1 回

日本のロックフェスの節目にはいつもレッチリがいた

嵐の天神山でメインステージのトリを務めたのがレッドホットチリペッパーズ。
極東日本に輸入された欧米型の大型フェスティバルの立ち上げは彼らの出演なしには語ることが出来ません。
それくらいの人気集客実力等々、圧倒的な実績がレッチリにはありました。
当時の感覚としては歌謡曲全盛の日本において決してメインストリームではないロック×ファンク風味のアメリカンバンドが数万人を田舎に集めるパワーを持つことが出来た時代になっていることに驚きを隠せませんでした。
これは日本のあらゆる興行の世界で顕著な動きとなっていて、例えば巨人戦しか集客が出来なかった長い時代がいつの間にか過ぎ去り地方密着のパリーグ同士の試合でも、集客的に不利な地方球場でも数万人を集める時代ともリンクしていたと言えます。
アンダーグラウンドで蠢いていたサブカル的なものが突如としてマスに届くようになる、振り返ると90年代とはそういう時代でした。
民衆がみな同じ方向を向いて大量の同じ商品を大量に消費するビジネスモデルの終焉が近づいてきていたのでした。
そして細分化された人達の意識の集合体として具現化したのが、この大型ロックフェス、いやもはやロックというワードさえ古の彼方に押しやるようなオルタナフェスが象徴的出来事として97年に始まりました。

カリフォルニア代表としてのレッチリ

アメリカの広さとは文化の多様さと同義であると思います。
西海岸と東海岸では、時間も違えば影響された文化も違う。
道州制のおかげで各州で独立国家といってもいいくらいの違いを見せます。
レッチリを生んだカリフォルニアといえば、アメリカ大陸西部全体のイメージそのままを引き受けたような存在感を見せます。
MLBの代表球団といえば東海岸ニューヨークのヤンキースですが、それの対立軸として西海岸カリフォルニアのドジャースが存在します。
日本でいうところの東京と大阪の関係性となり、カリフォルニアは大阪の立ち位置といっていいでしょう。
政治的にはリベラルに傾倒しているようで大統領選ではよほどのアップセットがない限り民主党候補が勝っています。
人口も多いので選挙人の数も必然的に多く、ここで民主党がきっちり勝つことでアメリカの大部分を占める田舎の保守的な人達との政治的拮抗状態をカリフォルニア地域があることでバランスを取っている側面があります。
そういう地域に生まれたレッドホットチリペッパーズの音楽性もまた、ここ数十年のアメリカを映し出す鏡のようなものになっています。
メンバーのベースマン、フリーは過去に民主党支持を表明し、トランプ批判を繰り広げたりもしています。
日本では表立った政治的なパフォーマンスをアーティストがすることはほぼほぼ皆無なので、こういった活動をすることがとても羨ましく感じてしまいます…。
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