邦楽主体フェスとして2000年に初開催され、以降毎年8月第一週の週末に開催されています

ロゴス(LOGOS)

ロックインジャパンフェスティバル、ロッキンオン社主催の邦楽ロックフェスティバルの雄

2000-08-12

メインステージ/MainStage

2000-08-13

メインステージ/MainStage

邦楽特化夏フェスの代名詞的存在に

夏開催の国内4大フェスの中で後発発進だったのがこのロックインジャパンフェスティバル、英語の頭文字をとって通称RIJとも呼ばれます。
他の3つのフェスと違ってこのロックインジャパンは雑誌ロッキンオンを主催するロッキンオン社が運営母体となっているおそらく世界でも珍しい形態だと思われます。
雑誌媒体というテレビメディアなどの大手資本とは規模も影響力とは段違いに違うこじんまりとしたメディア媒体ながら、今や夏フェスの総本山ともいえる集客力、影響力を誇り、同程度のイベントを冬にも行うほどの体力、企画力があることは驚異的とも言えるでしょう。
このロッキンオン社、70年代から継続して洋楽雑誌を発行していることで有名ですが、80年代半ばから邦楽雑誌やサブカル系雑誌も発行し日本のカルチャー全般の牽引に影響力を持つようになりました。
そのため各業界との繋がりも強く日本のエンタメの発展に大きく寄与してきました。
大手資本の意向が強く反映されるような活動をしていない批評活動をしているので業界にもその周辺にいる人達からの信頼も厚く、長い時間をかけてひとつの権威になっているとも思います。

他フェスとの差別化で躍進

フェス後発組なのでマーケティングをしっかりするのが基本であり、他フェスとの差別化を図ることでロックインジャパンフェスは成功を収めることが出来ました。
フジロック、サマソニは邦楽勢も出演しますが、洋楽主体なので特徴的に被ることはありません。
フジロックやライジングサンの自然の環境で生まれる非日常性と祝祭感、サマソニの首都圏開催による利便性、その2つの中間点を上手く取り入れることのできる茨城という地域の特性を活かしたロケーションがこのフェスを躍進させるまずひとつの要因となりました。
交通機関のそこそこの脆弱性もある意味、非日常感を演出する小道具ともなりえたのでした。
フェス未体験組に希求するお手軽さと甘美で神秘的なロックフェスへの憧れを上手く両立させアピールに成功し、個人ではなく若者集団の興味をひきつけ集客に結びつけることに成功しました。
ロックインジャパンによって啓蒙された若者が将来的に日本各地のフェスに飛び火する好循環の火付け役の役割もあったのかもしれません。
個人的にその意義はとてつもなく大きいと思います。
今や夏フェスといえばフジロックやサマソニではなくこのロックインジャパンを挙げる方が多いのがその証拠です。
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