セカイノオワリ~謎に満ちた4人組バンドが紡ぐ不思議な音世界で人気の日本のバンドです。夏フェス出演も多数あり。トリ経験もあります。

ロゴス(LOGOS)

セカイノオワリの揺るぎない絶望感

出演回数:9 回

  • ロックインジャパンフェスティバル / RockInJapanFestival >> 4 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 3 回
  • カウントダウンジャパン / CountDownJapan >> 2 回

本当は怖い世界

世界の終わりはポジティブな意味でのエンドゾーンを表しているようですが、一旦絶望を挟んでからのその境地であることは間違いありません。
漏れ聞くエピソードの一部からだとどう推測しても崖の上に立っていた人間の創る表現でしかありえない質感があるからです。
一聴すると能天気なドリームポップ然としたその音世界ですが、まるでイソップ童話のようにその裏に隠された狂気がおっさんの立場で聞くと滲み出ているような気がしてなりません。
セカイノオワリが他と圧倒的に違うのは正調に絶望を経て獲得した表現だからだと思いますし、そこを包み隠さずに、や多少はオブラートに包んでいるんでしょうが、きちんと提示しているところなのではないでしょうか。
メジャーフィールドでブレイクした表現者がここまであからさまにその絶望感を表現するのは実は珍しいように感じていまして、そういう意味でも稀有な存在で彼らが盤石なのはその辺が起因となってると思います。
例えばストーンズのどこが凄かったのかというと客全員で「欲しいものが必ず手に入るとは限らない」と実にシニカルな絶望感を高らかと謳うところなんですが、セカイノオワリの世界とも通じるものがあるんですね。
昨今子どものココロの問題が全く解消されることなく放置されていますが、政治や行政が親や学校が出来ることなんて限られていて要するに子供たちに一番影響を与え前面に立つ表現者が絶望をきちんとテーマとして扱わなかったことが一番の原因なのではないかと。
この世はどうしようもなくて希望なんてどこにもないけど、もがき苦しむことこそが希望なんだよときちんと伝える大人がどこにもいないのが問題なんですよね。
自分で答えに至るしかないその過程で周りの大人が絶望を教えなかったことが苦しみをより増幅させるのです。
この世にはクズしかいねえ!でも俺は生きてるぜ!生き延びてやるぜ!そこに希望があるのです。
甘くて耽美な世界だけ提示する表現者に溢れるこの国では、その世界が虚構なのだと気付いた瞬間に子どもの心が崩壊するのです。
それなら最初から絶望を抉れと。セカイノオワリにはそれがきちんと存在しています。完全に支持しますね。
そんな世界観がフェスには実にマッチします。
2010年のインディーデビュー後すぐにロックインジャパンに初登場。小さなステージの頭2番目に配置されます。
続くのがワンオク、アレキサンドロスなのでこの規模でのこの並びを全部見た人は後世まで自慢出来るのではないでしょうかw
年末のカウントダウンではセカンドステージのトップバッターに登場。既にこの時点で音楽好きには名前が轟いていたことは記憶しています。
2014年にはサマソニにも出演しました。このころはもう大ブレイク中で中高生の間ではカリスマ的人気を誇っていたように思います。
クラフトワークの前というのはそりゃもうずっぱまりの位置ですわね。
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