矢野顕子は長年築き上げたその地位に甘んじることなく臆することなくアクティブにフェスに出演します。その形態はソロから競演など多岐に渡ります。

ロゴス(LOGOS)

もはや矢野顕子というジャンル

出演回数:13 回

  • ライジングサンロックフェスティバル / RisingSunRockFestival >> 5 回
  • サマーソニック / Summersonic >> 3 回
  • ロックインジャパンフェスティバル / RockInJapanFestival >> 3 回
  • フジロックフェスティバル / FujiRockFestival >> 2 回

孤高の実績とフェス

4大フェス全てで3度以上の出演履歴が確認できる唯一の大御所。それが矢野顕子です。
昔から疑問に思っていてその結論は出ていないことがありまして、果たして矢野顕子ってどこのジャンルに属するのだろう?という。
ジャズ?ちょっと変わった歌謡曲のようなもの?どれにも当てはまるようで全く違う側面があったり、まるでカメレオンのように楽曲ごとにその顔を変える様はまさにノンジャンルという以外にありません。
ただただ矢野顕子としてそこにどーんと存在しているだけという誰もがやりたいことを涼しい顔でやり遂げてしまう、一種の恐ろしささえ感じることでしょう。
感性が前面に居るという非常に羨ましい表現者なので、例えばユニコーンの出色の名作であるすばらしい日々を何のてらいもなくえっ?!このタイミングで?というスピード感でもってカバーしリリースするなど若手の作品でも心に引っ掛かったものはすぐに形にしてしまうそのバイタリティー。正直あの位置にいる(90年代初頭なので既に押しも押されぬ大御所扱い)人がそんなある意味フットワークの軽さを見せつけてしまうことの凄さよ。
そのある意味の軽薄さはフェス参加にも発揮されていてこちらの立場からみても全く臆することなくあの真剣勝負の場に飄々としたテイで出てくる矢野顕子の凄さね。
年齢的にも(失礼)心身ともに溌剌とした若手アクトに混じって、わざわざ同じ土俵に立たなくても自分のテリトリーでぬくぬくと活動できるはずなのにある意味真実の姿を抉り出してしまうフェスという残酷な場にあえて出てくる、しかも躊躇なく出てくる大御所アクトのひとりなわけですが、あそこまで独自な音が確立してしまうとそれもまた新しい化学反応が出てくるというか何というか。ああ表現するのが難しい。
むしろ若手が臆してしまうのでは?というくらいでまるでお釈迦様の手のひらの上のような様相。
決してトリ位置近辺を占めてしまうような若手や中堅のチャンスを奪うようなことなくタイムテーブルの中盤辺りにすっーっと入ってきてはその日一番のインパクトを残してしまう。いやあ辛いっす先輩。
さてフェスではソロ以外にもレイハラカミや忌野清志郎と共演する形での参加だったりと多岐に渡る形態で参加することでも有名で、この辺にも形に捉われない彼女の姿勢が現れていると思います。
これからも精力的に活動を継続していくことでしょう。満員御礼のオレンジコート、見られなくて心残りっす。
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